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千円札

千円札_e0058280_6104760.jpg帰り道、千円札を拾った。
白い雪の上にひらっと落ちていた。
一万円札ならよかったのにと思った。

昨日、銀行から相談があると呼びだされた。
担当者は初めて見る人。
「近々もう一軒出店の予定はありますか?」
「いえいえ、このご時世ですから全く考えていません。」
「そうですか、じゃあそろそろ返済してください。」
「はあ?」
「延長している手形です、毎月均等払いででも。」
「はあ?」
そう毎年利息だけを払って、一円も返済していない借金があったのだ。
思い出したくもない、
2001年の9月11日
あれっ今は2006年、考えたら5年近くもほったらかしだったんだ。
払った利息はいったい幾らになるんだろう……。

ハイラを招聘するために借りたお金だ。
当時ウチを担当していた銀行マンSはかなりの音楽好きで、一緒に飲むことが結構あった。
ハイラのCDを聴きながらの会話……。
「いいすねハイラ、これはいいっすよーKAJI〜さん!」
「そうでしょうSさん、可愛いし歌は上手いし、こんなの間近で見たらぶっとびますよ。」
「KAJI〜さん、オレこの人見たいっすよー。日本に呼びましょうよ!」
「でも金がかかるしなあー。」
「そんなの融資しますよ、運転資金って言っちゃえばいいんですから。短期で借りて、公演が終わればその収益で返せばいいんだから。」
「ええ、ほんと? じゃあ、やっちゃおうか !」

と借りたのが、運のつき。
とんとん拍子にことが運んで、全国の公演の小屋も決まり、いざ彼女等の到着を待つだけ。
その時期が、ぴったしカンカン、ビンゴー。
9.11テロ事件で、世界中の飛行機が飛ばなくなった。
南は沖縄から、北は常呂町までの、全国公演が全てパー。
その損害額や高級ベンツを崖から落としたようなもん。
それも一度も乗らずに。

まだこの他に3年半前に造った店の残がある。
またこのSが人の預金通帳を見て、「KAJI〜さん、今お金無いでしょ、幾ら出しましょうか?」と必要も無いのに融資されたその残もある。(その後Sは東京栄転)

ああ、ホリエモンのバカヤロー…金なんかに執着しやがって……と、わけもなく逆ギレ。
貧しくても、心の豊かな国がいいな、あそこが。

 (写真はハイラの少女時代)
by misalsa | 2006-02-03 05:48 | キューバ音楽


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